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痔、体調不良の合図――手術せず治す、新薬も登場へ

9/7 日本経済新聞から引用
生活習慣まず改善
 日本人の三人に一人が患っているといわれる痔(じ)。以前は男性の病気のようにみられていたが、最近は男女差がほとんどない。女性の受診率増加も理由の一つだが、ダイエットが原因の便秘や男性同様に不規則な生活習慣になったことも背景にある。痔は体調不良の信号と考えて、上手に付き合っていきたい。

 川崎市内に住む二十代の主婦、Mさんは出産をきっかけに排便時に出血するようになった。気になって病院に行くと「裂肛(れっこう)」と診断された。痔の一種で、切れ痔と呼ぶことが多い。「育児に振り回されて生活や排便リズムが狂ったことが原因では」と指摘された。確かに便秘がちだったと思い返した。

 軽傷だったこともあり座薬と軟こうで症状は改善。医師の指導を受け排便時にあまり力を入れない、食事に気を付けるといったことを続けた。現在では気になる症状はなくなった。

 「最近は若くして重症になる人も多い」とマリーゴールドクリニック(東京・港)の山口トキコ院長は説明する。山口院長は「日本で初めての女性の痔医」として二〇〇〇年に開業。患者の八割が女性で、四年半で三千例以上の手術をしてきた。七五%が二十代から三十代だった。

 「最近は痔を取り上げる女性誌も多く、若い女性を中心に情報が豊富。来院することへの抵抗感も少なくなってきた」ことが女性患者が多い理由とみる。妊娠・出産はきっかけの一つだが、大きな原因は女性の悩みの種である便秘。排便時に肛門(こうもん)に過度の負担がかかるためだ。

 また、ある出版社の女性の場合は、出張と編集作業で徹夜が続き、わずか三週間で症状が一気に悪化したという。ストレスや不規則な生活・排便リズム、外食や飲酒が多い、ダイエットに伴う便秘など、痔の原因は枚挙にいとまがない。

 痔は大きく三つに大別できる。まず、肛門をぴったり閉じる役割をしているクッション部分が大きくなり、出血や肛門から出てくる脱出といった症状がでる「痔核」(通称・いぼ痔)。直腸側にできる内痔核と、肛門側の外痔核がある。

 二番目は肛門部が切れや痛みを伴うことが多い「裂肛」。そして肛門周囲の組織にうみがたまり、その排出経路ができる「痔瘻(ろう)」(通称・あな痔)。発熱や痛みを繰り返しがちだ。

 最も多いのは痔核で男女とも半分以上を占める。その次に男性は痔瘻が多く、女性は裂肛が多い。痔核では内痔核の場合、ゴムで縛る結紮(けっさく)療法で対処できる場合もある。症状が進行して運動できない、出血で貧血になるといった場合は手術した方がよい。こうした場合、手術が必要になるのは裂肛、痔瘻の場合も同じだ。

 「便通を改善することが最も重要」。社会保険中央総合病院副院長でもある岩垂純一・大腸肛門病センター長はこう強調する。無理ないきみは禁物。硬い便は裂肛、下痢は痔瘻の原因になるため、刺激物の多い外食やストレスの多い生活習慣もあらためる。また、便秘を防ぐコツは便意を我慢しないことだという。

 また、従来なら手術が必要だった脱出症状にも効果がある新薬が来春までに登場しそうだ。三菱ウェルファーマとベンチャーのレキオファーマ(那覇市)が開発した「ジオン注」で、七月に厚生労働省の承認を受けた。ただし外痔核のひどい人には適さない。処置後一年以内の再発率が一六%ある。処置には習熟も必要なので、三菱ウェルファーマは広く講習会を開き、習熟医を増やしたい考え。

 痔は初期段階で対処すれば怖くない。日ごろから出血は要注意シグナルという認識が大切。大腸がんなど重大な疾患の場合もあるので、気が付いたら早めに診断を受けた方がよい。

女医が診療する肛門科のリスト
マリーゴールドクリニック(東京都港区)  山口トキコ院長が診察や手術を手掛ける
松島病院(横浜市西区)  松島ランドマーククリニックで水・金曜に女医が診察
いまにし胃腸肛門科医院(千葉市花見川区)  女性の方は今西佳代副院長が診察
大阪肛門病院(大阪市中央区)  女医による女性ための診察時間を設置。健康保険の取り扱いなし

痔にならない、悪化させないために気を付けること
○  排便の際に長時間いきまない
○  便意を感じたらトイレに行き、3分間を目安に切り上げる
○  便秘、下痢の原因となる食生活を改善する
○  排便後にやさしく、きれいにふき取る。できれば洗って乾かす
○  時間をかけて入浴し、肛門周辺のうっ血を解消する
○  体を動かして、お尻の負担を減らす
○  アルコールや刺激物を避ける

9/7 日本経済新聞から引用


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